CACA現代アート書作家協会 特別顧問 岡本光平

岡本光平プロジェクト 3

岡本光平プロジェクト 3

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折茂です。
たっぷり墨を含んだ筆が、紙の上に点と線を生み出していく。
一文字の大きさが大人の一抱えもある巨大な文字を、278文字書いて行くのだ。

これはまだ土台作り、左の 「照見五蘊皆空」 には空海の隠されたコンセプトである垂露、宝珠、鳥虫篆の蛇が潜んでいるが、さらに飛白、蝌蚪(かと)、龍爪、鵠頭などが書き加えられていく。

襖36枚のうちの4枚を書いたところで、西日本放送(日テレ系)の取材記者から「下書きなしで書くんですね!」と驚きの声が上がった。

「そう、下書きがあったら、それを意識してしまう。自分でも想像つかない、自分を超えたものを書きたいと思うから、下書きはいらない。」

さらに 「どんなことを思いながらで書いているのですか」 と質問が出た。

「文字を使って悠久の時間を表現して行きたい。これから山あり谷ありどんどん変化して面白くなっていきますよ。大自然と宇宙を表す曼荼羅世界を創造していくつもりだけど、自分でもどんな作品になるか分からない。分からないから、書いていて楽しいです。」

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6枚目まではどっしりした文字、7枚目から動きが出始め、9~12枚目は線が細くなり余白も出現。
線が細くなることで遠近法も強調される効果を楽しめる。(下図)

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般若心経が今日に到るまでの道程を思えば、シルクロードのオアシス都市龜茲国(クチャ)で仏典を漢訳した鳩摩羅什にはじまり、玄奘三蔵を経て我が国に辿り着いた1600年の遥かな旅路が浮かぶ。

その思いに深い憧憬を抱き、制作に取り組んだ岡本光平の創造の瞬間を、皆が息を詰めながら見つめる。
無心に動く運筆を見ているうちに、我を忘れて筆先に我が魂が乗って宙を遊泳しているような心地よさに誘われる。

障子を透かして朝の光が注いでいる護摩堂での制作である。

やがてお遍路さんの参拝が次々に訪れる気配がする。
朝の静寂を破り、障子の向こうから寄せる波のように響いてくるのは、お遍路さん達の唱える般若心経である。
拍子木のカチカチというリズムと、バゥオオーッという空気を突き破る法螺貝の大音声、くゎおーんと高らかに響く梵鐘を耳にしながらの制作は、またとない至福のBGMだった。

3月12日、1~4面完成。

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